12 27 1999
うちに来る【ファースト・インプレッション】
記念すべき1999年12月27日、BMW・K100RS-4Vが我が家にやってきた。前日、ライダーズ・マニュアルを受け取って予習していたのでスイッチ類の位置や操作は字面では覚えてはいたが、ディーラーでもう一度説明を受けた。ありがたいことである。
で、いよいよ路上に出るのだが、まぁ最初はそろりそろりとバイクの挙動を探る様にして走り出し、段々慣れるに従って、きびきびと走ってみたりもした。ガソリンもマンタンにし、ちょいと遠周りをして帰ってきた。


というわけで、いきなり【ファースト・インプレッション】
BMW・MCお約束のウインカーについて

右折の時には右グリップのスイッチを、左折の時には左のスイッチを押す(ハーレーと同じ)。時速50km以上なら押してから10秒で、それ以下なら210m走行したら自動キャンセル。もしくは、右グリップについているキャンセルスイッチでキャンセルという仕組みになっている。
これは好みの問題かも知れないが、私はすぐに慣れたし、巷(インターネット上や書籍の上)で言われているほどキャンセルスイッチも扱いにくい事もない。私の手はどちらかと言えば小さい方に入ると思う(グローブはMです)のだが、右手の親指の爪の人差指側で軽く触れるだけでキャンセル出来る。握り変えも必要ない。ううむ。モデルによってちがうのだろうか....
(後日加筆:年式によって、僅かにスイッチの位置や、押す時のクリック感、重さなどが違う様です)
因みにハザードはオプション扱いで専用スイッチを追加するようになっている。左右のウインカースイッチを同時に押してみたが、押している間はハザードみたいに両方つくが、離すと微妙に離すのが遅かった側だけがついている。


スタンド

センタースタンド
センタースタンドを立てる際に、車体を引き上げるための収納式バーグリップが装備されていて、教習所の400ccの中型バイクより楽に掛けられる。特にセンタースタンドを多用するであろうBMW・MCであるから、これは美点の一つであろう。
(後日加筆:センタースタンドを外すにはエンジンを止め、ギアを1速に入れ、サイドスタンドを出して、ややサイドスタンド側に傾ける積もりで外すのが最も安全である由)

サイドスタンド
シートに座ったまま操作出来るサイドスタンドは、イグニッションと連動している。モデルと年式によって動作に差があるが、私のK100RS-4Vでは、サイドスタンドがでている状態ではプラグにスパークが飛ばなくなる。サイドスタンドが出ていると、走れないし、暖機も出来ない。
また、ディーラーの説明でも、駐車は極力センタースタンドを立てる事を推奨された。
確かにサイドスタンドだと、バイクは左に傾き、Kの場合シリンダーヘッド側が下がった状態になる。正立のエンジンならオイルがクランクケースに下がる所を横置きのKをヘッドを下げた状態で停止するとヘッド側にオイルが下がってくる(上がってくる?)。すると、次の始動の時にオイルが燃えてオイル上がりのエンジンみたいに盛大に白煙を上げるという事になる。なるほど、駐車は水平に、が基本かな。
バイクは転倒しないかぎり、バイク自身にかかる重力は常に水平だもんね。
暖機に関しても、エンジンがかかってアイドリングが安定したらすぐに走り出せとマニュアルにも書いてあるし、ディーラーでもそう言われた。必要以上の暖機は環境問題を引き起こすばかりではなく、エンジンとそれ以外の駆動系との温度差を作るだけで何らメリットが無いとの事。エンジンと、ミッション、それにリアシャフトドライブを受け持つギアなど、それぞれ別々にオイルを持つBMW・MCは、エンジンがかかったら、すぐに走れということらしい。


メーター

意外なことにメーターがハンドルマウントだった。
てっきりカウル側にマウントされていると思ったメーターだったが、ハンドルを切ると一緒に動いたのでちょっとビックリ。
しかも、ショックを乗り越えるとメーターアッシーごと結構ゆすられる。大丈夫かな?


ポジションインジケータ

タコ・メータ内にデジタル表示のミッション・ポジションインジケータがある。ギアの位置に対応して、1、2、〜5と表示される。これは私にとって大変重宝である。排気量やギア比のちがうバイクから乗り換えると音だけでは何速に入っているのか咄嗟には解らないことがあり、とくに停車直前のギアポジションの確認に重宝する。

クラッチ
クラッチはワイヤー式で想像したよりは随分軽く操作出来る。が手の小さい私にはレバーの開度が大きく、遠く感じる。フロントブレーキのレバーには4ポジションのアジャスターダイヤルがついているので、クラッチレバーにも欲しい所である。それとも理詰めのBMWにはクラッチレバーに関してなにかポリシーがあっての仕様なのだろうか?


ミッション

なにが驚いたかといって、発進するときに、1速にギアを入れる時、無音、無ショックで、スコッと入るという事だ。乾式単板だからと言われればそれまでなんだけど、いままで乗ったどのバイクも、クラッチを目一杯握ってローに入れてもかならずコトンとか、ガッコンとかの音と、チェーンがカチャンと震えるのが常であったから、これはちょっと新鮮であった。普通バイクは湿式多板だからといえば、それまでなのだが。
それとは逆に、私のミッションは時々エンゲージミスが見られる様だ。国産バイク(とはいっても、ホンダとヤマハしか知らないが)のミッションに比べると、ややストロークが大きい所為で私がきちんとシフト操作していないのが原因かも知れないが、シフトアップの際、特に3→4の時に4に入らずニュートラル状態になり、ポジションインジケータも真っ白になってしまう事がある。
BMW・MCのミッションには、タマに2万キロ後半あたりで、シフトフォークの摩耗により同様の症状が固定化する個体があるとの事であるが、そうでない事を祈るばかりである。この点は不安だ。


ライディングインプレッション

偉そうにライディングインプレなどを云々出来るほどの腕も経験も無いのだけれど、乗り始めに感じたことを忘れないうちに書いておくことにする。(でないとすぐに忘れちゃうのよね)まずは、予想(みため)に反して軽い(操作に対しての反応がという意味)という事。
物理的には250kg以上はあるから重たいバイクであるのだけれど、案外とり回しの際もそれほどの重量を感じないし、実際に走り出してしまえばもっと重量は感じなくなる。コーナリングの倒し込みや切り替しなんかは「ヒラリ、ヒラリ」と言った感じだ。
これは、多分重心位置が低いという事に起因すると思う。エンジンが縦置きのクランク回転軸を持っているという事も手伝っているが、重たいエンジンマスそのものが横倒しでバイクの下の方に位置するというのが大きいような気がする。
同じような事が四輪の世界にも有って、たとえば、トヨタエスティマという車は、ちょうどこのバイクと同じように、エンジンを75度倒してフロアの下にぶら下げるように搭載している。見かけはフルサイズの1BOXワゴンだが、タイトコーナなどでのロールセンターは低く、低重心なので、この手の車としては意外なほどロール限界が高い。同じようなサイズとパワーの1BOXワゴンで通常の正立エンジンを持つ車と比べるとその差は驚くほどである。
【後日加筆:2000年モデルから、普通のFF構成に成り下がってしまったそうです。残念。】
多分、同じようなことが、BMW・MCにも言えるような気がする。だから、良く巷で「BMWは転ぶ気がしない」といわれるのだろう。
もう一つ、フラットトルクのエンジンの性格もこのMCをとても扱いやすいものにしている様だ。ピーキーなじゃじゃ馬エンジンにはそれなりに癖を掴むとツボにハマル面白さもあるだろうが、トルクがフラットというのは、何処からスロットルを開けても開けにリニアに比例してトルクを掛けられるということだからより安心して曲がれる様に思う。


と、まぁ、おっかなびっくり、ちょっとだけ乗っただけなので今日はここまで。(その割には、偉そうに一杯言いたい事言っているけど.....^^;)


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