大型自動二実技教習第5時間目
5【1999年11月20日9(19:10〜20:00)】
この時間は、私の見極めである。ほんとは一段階の見極めコースというのを走るのだ
が、何故か二段階(大型最終段階)の見極めコースから「波状路」という科目を除い
た変則コースである。見極めにはそれが出来る教官がついて試験開始である。
難なくクリアーと言いたい所だが、思いっきり苦労した。
問題点は、はっきりしているのだ。
それは、極低速でのバランス感覚というか、操作が身についていない事に起因するも
のであるのは、明白なのだ。
問題の科目は、「一本橋」と呼ばれるもの。
幅30cm長さ15m、高さ5cmの橋を渡るという・だけ・のものだが、制限時間があ
り、これを10秒以上の時間を掛けてゆっくり渡らなければならないのだ。
中型バイクだと、8秒以上という条件なので、実は、お茶の子さいさいで出来てしま
うのだが、大型になると10秒とたった2秒長くなっただけで、とてつもなく難しく
なってしまうのだ。
なぜ?と思われるだろうが、その理由をちょっと解説しましょう。
中型バイクの教習は400ccのバイクで行なわれます。
一本橋に関するレシピはこうです。
1始めからバランスが不安定だと橋から落ちるので、最初はビュンと加速して橋に乗
ってしまいます。
2前輪後輪が乗って、姿勢が安定したら、後輪ブレーキを少し掛けて速度を落します。
3あとは、バランスを取りながらローギアーのままで渡りきります。
これだけで、確実に8秒以上で渡れます。
橋の上でやる事といったら、橋から落ちないようにする為にバランスを取る為にハン
ドル操作をする事と、あと、万一早過ぎれば右足のブレーキをチョンチョンと踏む、
または、逆に落ちそうになったら、アクセルを煽って一気に渡り切る、位しかないの
で、簡単なのです。
ところが、これが、大型になると、状況は少々違うのだ。
何故かというのは、結構簡単な話なのだ。
1エンジンのパワーが倍の乗物である事。
2そのパワーを殺すテクニックを持つドライバーで有る事。
3二輪最高の免許を持つに足るドライバーで有る事。
これらを要求されるのだ。
テクニカルな部分は練習、素質に因る部分が大きいのは確かだが、紳士或は淑女とし
ての公道上でのマナーを要求するという部分は、少なくとも私には問題無い課題だ。
だが、大型で一本橋をきちんとこなすには、思った以上のテクニックが必要だ。
何故なら、ローギアーで一本橋を何の操作もなく通過すれば、6秒で渡り切ってしま
うのだ。
アイドリング回転のローキアーで渡れば、中型8秒、大型6秒という位の差がある。
それだけ、大型バイクにはパワーがあって、それを生かすための設計をすれば、結果
として、早い車という事にならざるを得ないのだ。
なのに、二輪免許の試験では、逆に大型ほど、極低速で車をコントロールするという
テクニックを要求されるのである。
だから、一本橋通過が10秒以上なのだ。
はっきりいって、これは、普通二輪の2倍以上むずかいしい。
では、大型二輪一本橋のレシピである。
1一本橋に向かう停止線には、きっちり正対する用に停止する。
2発進確認をした後、一速(ローギアー)で発進。
3前輪が橋に乗った所で、半クラッチにする。
4後輪が橋にかかる所でクラッチを繋ぎ車を橋に載せる。
5この時大概車速は早いので安定していると思われれば、リアブレーキを掛け、速度
を落す。
この時、エンストしそうになると思えば、半クラッチにする。
6ハンドルを積極的に切ってバランスを保ちながら、半クラッチ、リアブレーキで速
度を作る。
7この時、もし、橋から落ちそうになったら、一気に渡り切るという判断も必要。
(というのも、本検定の時にはおっこちたら免許はくれないから)
と言った所なのだ。
文章で書くととても難しそうだが、体が覚えればそれほどでもないのは、体験済み。
要するに、私の弱点はここだけなので、これさえクリアーすればあとはそれほどのス
トレスにはならないのである。
で、一段階の見極めもクリアー出来た。
悪役は、今日も、転んでいる...........。