大型自動二輪卒業検定
【卒業検定】1999年12月5日
今日は、大型2人中型2人の、計4人の受験者がいました。大型、中型の順で
検定が行なわれ、私は、大型の2番目でした。
朝から雨が降っており、検定の時には殆んどやんでいましたが、湿潤路という
ことで、今日の急制動は14m で行なわれました。
兼ねての情報通り、検定車両は21号車。検定の時間には既に暖気は終ってお
り、隣の22号はずぶぬれのまま、冷たく固まっておりました。
が、検定コースは1コースとの事前情報とは違って、コースは2コースだった
のでした。でも、それは大したハンディにもなりませんでした。
で、検定開始。
一人目の大型の受験生が発進して行きます。私は、2コースのおさらいの積も
りでしっかりと、目で追って行きます。
周回し、S字に入り、また外周に出て、加速、そして、急制動。
とそのとき、いきなり前輪ロック!立て直す暇もなく、大音響とともに車は転
倒し、ライダーは地面に投げ出されました。
幸いライダーは車の下敷になることもなく、殆んど怪我は無さそうです。試験
官もライダーが自分で車を引き起こすのを待っています。
呆然とするライダーを安全な所へ退避させ、試験官がバイクの点検をし始めま
した。しばらくエンジンを掛けたり、走ってみたりしたあと、試験官は、私に
「検定車両には22号車を使いますから、Kさん、済みませんがエンジン掛けておいて下さい」
と言いながら、21号車を車庫へ運んで行きました。
やれやれ、困った事になったぞ。22号はずぶ濡れの上に、完全に冷え切ってる。しかも、
先週の検定の時にやっぱり急制動で派手に転倒し、フロント回りが不調になった
ので、検定車両から外されたものなのだ。それに、ギアに癖があって硬い上に、
何故か3速から2速へシフトダウンしたときに、たまぁ〜に、ニュートラルまで
落っこちることがあって、気が抜けないのだ。
でも、もう、21号車は試験官が車庫へ向かって乗っていってしまっている。
私は22号車のエンジンを掛け、自前のタオルでシートや、グリップや、ミラー
に付いた雨を拭くしかなかった。
それにしても、いやなものを見た。
しかも、私は、今まで、湿潤路での14m制動を経験していないのである。
目の前で急制動の転倒だ。自分の時もそうなりはしないか?とどうしてもビビリ
が入ってくる。
そこで、一生懸命自分の記憶の中の担当教官の言葉を思い出す。
「いやぁ先週の検定で、雨が降っててねぇ。急制動で転んだ人がいてねぇ。最初
の急制動で速度がたんなくてもう一回やらされた時にスピード上げ過ぎたんだろ
うね。で思いっきり前ブレーキ握ってロックして転倒なのよ。
という訳で、検定車両は、21号車になると思いますので、それで練習しましょ
うか。
でもねぇ、私らから言わしてもらえば、雨降った方が絶対楽なのよね。14mで
止まれってのは、全然緊張感ないですもん。普通にブレーキ掛ければとまります
もん。」
つまり、雨の方が急制動は楽だと、私は思っていたのです。
だから、朝目醒めた時に、外を見て、「雨が降っている!」と認識したとき、そ
の天気に対する評価として、
『雨に濡れるのは嫌だけど、試験自体は易しくなる!』
という、どちらかと言えばプラスに受け止めていたのだ。
それがである。
目の前で、大転倒をやらかされ、のみならず、検定車両も交換という事態になっ
てしまったのである。
さぞかし、落胆し、運命を呪い、我を忘れて緊張するか?と思ったのだが.....
あに、はからんや。
妙に冷静なのである。ちうか、もう、これ以上の事は起こるまいという居直りに
も似た心境になってしまったのである。
え!?
苦手の一本橋はどうしたかって?
8秒で一気に渡ってしまいました。へへへ。
全員が終った時に、簡単な講評があるんだけど、その時点で、急制動で転
倒した彼と、中型でパイロンなぎ倒した彼は、補習と次の試験の日程を担当と決
めてくれと言われ、さらに、いろいろ注意をしこたま言われていました。で、私
は、なにかいわれるかなぁ?と思っていたら、案の定。「他の課題や走行と比べ
て一本橋はどうしたのでしょう?それだけが見劣りするのですが。普段はどれく
らいで渡りますか?」と聞かれ、正直に「落ちないで楽に渡れるのは、9〜11秒位です」
と答えたら、「ふーむ。そうでしょうね。ま、結果は後ほど電光掲示番に出ます
から」
という事で、ちょっと不安を残しつつ、結果発表を待つのでした。
合格者は、大型一人(私)。中型一人。トータル50%という結果でした。
帰りに、近くのバイクショップに寄り、BMWのバイクを発注したのは言うまで
もありません。